(10)
お雪は
針と布を
投げ捨てました。
(布:cloth)
(投げ捨てる:to fling down)
O-Yuki flung down her sewing,
そして
立ちあがりました。
and arose,
お雪は
みのきちのところに行き
彼の上に、屈みました。
and bowed above Minokichi where he sat,
彼女は
彼に向かって
叫びました──
(叫ぶ:to shriek)
and shrieked into his face:
「それは私
私
それは私。
……それは雪。
"It was I - I - I! Yuki it was!
……そして、その時
私は
あなたに言ったの。……
……もし、あなたが、そのことを、言ったら
私は、あなたを、殺す、と。
And I told you then that I would kill you if you ever said one word about it! . . .
そこで、眠っている子供たちが
いなかったら
今すぐ、あなたを殺したのに……
でも、もうできない。
But for those children asleep there, I would kill you this moment!
あなたは、
子供たちを
大事に、大事に、してください。
(大事にする:to take good care)
And now you had better take very, very good care of them;
もし子供たちに何かあったら
そのときは
私は、あなたを……」
for if ever they have reason to complain of you, I will treat you as you deserve!" . . .
⇒ Japanese Ghost Stories 雪女(ゆきおんな)(11)